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正武推奨の一枚/一曲


月の光 冨田勲


 筆者が、最初期に購入したレコード一中の一枚に(すり切れるほど聴いたので実際に購入したのは都合3枚)冨田勲の「月の光」というアルバムがございます。そのCDバージョンが出ているので、ご紹介。。。。

 当時中学生、既にオーディオには目覚めて、父親が途中で製作を投げ出して放置されていたダイナコのプリアンプキット組み立てに成功したりして、オーディオマニアになる片鱗を示していましたが、別に大して音楽に傾倒していたわけでは無く当時好きだった楽曲は今と違って(苦笑)バッハやヘンデルと至って普通?(笑)でありまして、ドビュッシーなどは名前すら知らなかったモノであります(^^ゞ
 が、どういうわけか中学校入学当日に、怖〜い先輩にトイレで囲まれて無理矢理入部させられたブラスバンド部で音楽に接する機会が増え、電気、機械いじりの大好き少年だった管理人、シンセサイザーなるモノの出現に胸躍らせて、その流れの中でふと手にした一枚がこれでした・・・
 ちなみに当時シンセサイザーなる代物は、ン百万・ン十万円する代物で、とても一介の中学生に買えるモノでは無く、自作したシンセサイザーもどきは至ってアナログで、毎日の温度湿度変化で音程・温色が変わり、多重録音で音楽作成!!とは相成りませんでした(爆)
 この当時(1970年代前半)、「将来シンセサイザーは誰でも買えて使えるようになるんだ・・・」と力説し、シンセサイザーミュージックについて熱く語るとも吹奏楽部員や友人からは白い目で見られるのが落ちでございました(; ;)

 閑話休題
 ・・・購入して、針を落とした瞬間(昔はレコードプレーヤーだったからね)衝撃が走りました。これが同じ「音楽」なのか!!と。。。ちなみに富田勲氏のシンセサイザー演奏のレコードはRCAさんから発売されていましたが、権威あるレッドシールでありまして<今の人には解らないだろうなぁ〜(^^ゞ
 その楽曲を酷評するワカランチンな人々にとって奇妙奇天烈な音並びも、解る人には解るというか・・・それなりに評価されていたことが窺い知れます。

 このレコード(CD)どの楽曲も、素晴らしいのでありますが、中でも管理人的に気に入っているのが「Reverie」「夢」という楽曲であります。

 聞き及ぶところによると、この「夢」ドビュッシー自身は「つまらない曲・退屈な曲」と表していたと言うことで、この楽曲を収録しているアルバムによってはそのような評価がされているものもあるのですが・・・
 アンチカタログスペック・実践重視を標榜する管理人的には、はたしてこれを鵜呑みにしてよいものかと、当時から思っている疑問の一つであります。管理人的には、その公にされている言葉とは裏腹に、当の本人も結構気に入っていた楽曲なのではないかと?と考えている次第であります。
 すなわち、あの偏屈な性格のドビュッシーが果たして、本当のことを素直に言うだろうか?(苦笑)という素朴な疑問が・・・・
 傍証として、「退屈でつまらない曲」の筈がこの「夢」なる楽曲、多くのカバーが存在するという重大事実があります。そんなにつまらない曲ならシンセサイザーは言うに及ばす、ジャズから歌謡曲まで幅広いジャンルでカバーされているというのは?逆にカバーしているアーチストさんの琴線に触れる所があるからこそ演奏され録音されているのではないでしょうか?
 ということで、この楽曲、評論家さんがなんというと、個人的には名曲だと思っていますハイ(笑)



 歴史に残る名盤!!
 冨田勲ってナンジャラホイ?ってな知らない人には是非聞いていて頂きたい一枚であります。
 ちなみに「レコード盤」の初期バージョンは当時ビクターさんが主導?していたCD-4録音だったような気がします。<今時の若い衆にはサラウンドと言えば解りましょうか・・・・(^^ゞ
 その後に再販されたものは疑似4チャネルと申しましょうか、二等辺三角形の頂点で聞くと、音が後ろに回って聞こえてくる4チャンネル風味の録音に改められていたと思います。
 とまれ、筆者の場合は当時冨田勲のレコードをかける際は、おもむろにスピーカーマトリクスの4チャンネルにして、音が部屋中をグルングルン回るのを楽しんでおりました・・・
 CD盤は、その辺がどうにも薄まっていて、昔聞いたほどには音が、後ろに回り込まないのが残念ではありますが、1970年代にこれだけのサウンドを放つレコードがあったんだよ後世に伝えたい・・・一枚であります。



 「夢」が駄っ作曲では無い傍証の一枚
 「夢」に英語と日本語の歌詞がついているリメイク?な曲でありますが、どこかの国の平原綾香とかいう醜汚な歌手が手がけた軽薄かつ陳腐な「ジュピター」とは異なり、深い中にも爽やかさを感じる歌声の山口裕里さんという方のお歌のアルバムです。
 大作曲家の名曲をリメイクするならこういう風にやって欲しいものです(^^ゞ
 母親である女性が人類愛をうたう英語詩バージョンと、若い女性がせつなく恋心をうたう日本語バージョン、共に深みがあり、かつ爽やかな楽曲に仕上がっている筆者のお気に入りの一枚。
 この曲に限らず、ドビッシーの楽曲を聴くと自然に瞼を閉じて目の前に光と風を感じながら聞くことが多いのですが、この楽曲は歌謡曲ながらその気分を味あわせてくれる楽曲の一枚。
 このほかにもハープ演奏やら琴の演奏やらの素晴らし演奏があるのですが、CD化されていないようで残念無念(; ;)、20世紀の名演がレコード盤の消滅と共に消えて無くなるはどうか?・・・とおじさんは思うのです。
 国策で、過去に日本で販売されたレコードは全部デジタル化すべし!!てなことを言ってくれる政治家さんは居ないんでしょうかねぇ〜?



 シンセサイザーでない、正統派?ドビュッシーならこちらかな・・・
 ERATOさんからその名もズバリDEBUSSYとしてMoniqe HASSの演奏で、冨田勲のアルバムと曲の構成も順番もクリソツなレコード盤のアルバムが出ていましたが、これも幸いにしてCD化されています。ただ、レコード盤・CD共、エラートさんの販売キャンペーン?限定品だったようで今では新品は手に入らないようですが、中古ではあるようです。
 この録音、1972年頃だと思うのですが、当然元はアナログ録音でありますが、何処の教会で収録されたものだったと思いますが、その音の広がり、伸びとも現代の最新録音のモノに勝るとも劣らず、モニクアースさんの力強くかつ繊細な演奏と相俟って、ドビュッシーの素晴らしさのエッセンスを伝えている一枚です。
 純粋に音楽を楽しむにも良い一枚なのですが、このアルバムオーディオチェック的にも突っ込みどころが満載で、小鳥のさえずりや、自動車?の暗騒音の低周波振動が良い装置ならば聞こえてくると言う一枚なのであります(^^ゞ



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