ワックス・コーティング概論
なぜか解りませんが、高校三年生の時に免許を買って以来(苦笑)洗車とワックス(コーティング)がけが大好きでした。
思えば最初に買ったみすぼらしい5万円の中古車をなんとか見られるように当時出来立ての東急ハンズ町田店で「光硬化型」ワックスなる怪しげな商品を手に入れて使ってみたのが原体験のような気がします・・・・・(商品名を忘れてしまいましたが今は見かけませんねぇ)
あれから十数年・・・・これまでにほ多くの市販品を試し、また、町の洗車屋さんも試し、ポリマー加工も試してきました。
最近世の中はコイン洗車場の普及とともに「洗車ブーム」だそうです。ま・同好の士が増えたということで非常に喜ばしいことです。
ここでは、現在までに試してみた、コーティング剤の実践的経験に基づくインプレとケミカル用品についてお勧め・あまりお勧めでないを記したいと存じます。
ワックスにするかコーティング剤にするか?がまず、頭を悩ますところです、筆者の場合は初期にはワックスをその後コーティング派にくら替えして現在に至っています。
筆者なりに分類すると、ワックスは「天然系」と「ケミカル系」に、コーティング剤は「樹脂系」と「イオン系」に別れると思います。
「ぜんぜん違うぞ」という方がいらっしゃるかもしれませんが、「仕上がり」と「効果」という面からすると上記の分類でくくれると思います。そして、ワックスの「ケミカル系」とコーティング在の「イオン系」はそれぞれ近しい関係にあります。
まず、「ワックス」ですが、車の「輝き」「艶」「色合い」「仕上がりの美しさ」に関しては、やはり「天然系」のワックスが良いような気がします。(いわゆる「カルナバ」がどうしたこうしたという系統のものです)
※ 本稿を作成したのは1996年ですが、その後雨後の竹の子のようにガラス系コート剤が登場して来ました、第1世代のガラス系はイオンデポジットに対する耐性が低いというか、むしろ出来やすいものが多く屋外駐車の方にはお勧め出来るものもではありませんでしたが、第三世代のものは通常のワックスは言うに及ばず、他のフッ素系などと遜色ないか、勝るぐらいの進歩を遂げ、帯電性も良好なものが登場しています。
では、筆者は何故、ワックスでなくコーティング剤に宗派替えしたかというと、ワックスは「油分」を含むということに尽きると思います。
良質の「ワックス」で車を仕上げると、確かに非常に満足の行く仕上がりが得られます。ところが塗布直後からの「油分」が悪さを始めます。すなわち「油」だけあって、埃を吸い寄せるのです。愛車にワックスをかけるという行為は、極端な言い方をすると愛車を「化学雑巾」に仕立てているの同じです。
また、効果の高いワックスは外国産に良いものが多いのですが、この多くが、日本の高温多湿の環境に順応できていないような気がします。
夏場などには施工ムラ、あるいは溶け出してかえって塗装に悪影響を及ぼす(汚れを包み込んでしまう)といったことがおきかねません。 理想的な環境にある場合はそもそも、ワックス等は不要なんですからこれではあまり意味がないような気がするのは筆者だけでしょうか?
ワックスを利用する場合、施工にかなり神経を使い、さらに、メンテナンスも頻繁に行わなければならないということを覚悟せねばなりません。
これに対して「樹脂系コーティング剤」※は、「塗装の保護能力」に関しては、ワックスの一枚上をいっています。しかし「輝き」「艶」「仕上がりの美しさ」等に難があるものが多いものです。
「輝き」だけ、「艶」だけを取ってみるとガラスのような深みのある仕上がりを見せ、ワックス並みの満足が得られる製品もありますが、これらの多くは、水を嫌うなど扱いが神経質だったり、拭き取りが大変など施工に難がある傾向が強いものです。
この両者の欠点を補うべく?登場するのが「ケミカル系」「イオン系」です。
「ケミカル系ワックス」は「テフロン」やら「ポリマー」やらを混ぜてワックスの欠点を改善したもの、「イオン系」は「ワックス分」をコーティング剤の一部として使用するものと理解しています。この両者は、それぞれの欠点を補ってそれぞれの欠点を生じているという点で難点があります。すなわちワックスは「静電気を防いだり・塗装面保護能力」が向上する代わりに、「輝き」「艶」に劣る。「イオン系」は「輝き」「艶」が向上するする代わりに「油分」で埃を吸い寄せるといった傾向があります。
イオン系の製品はコーティング剤としては比較的扱いが簡単確実という点でお勧めできるものです。
※ フッ素系・テフロン系・アクリル系・ウレタン系等あるようですが、筆者にとってはそんな事はどうでもよいことです。仕上がりの満足度でくくればこの分類で十分です。